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この脚本家がすごい

この脚本家がすごい!「天国と地獄」「JIN 仁」森下佳子さん

有名で人気のある脚本家さんを挙げていくときりがないとは思いますが…

ここでは、とくに今、話題になっているor気になる作家さんの「ここがすごい」ポイントと、脚本家になりたい人に向けて「どうやって脚本家デビューしたか」という部分に焦点をあてて紹介していきたいと思います

今回は、森下佳子さんを取り上げたいと思います。

若手脚本家が学びたくなる脚本家

森下佳子さんと言えば、現在は「天国と地獄〜サイコな2人〜」(2021年1月~、TBS)が放送されていますし、「義母と娘のブルース」(2018年7月~9月、TBS)や「JIN~仁~」2009年10月~12月、2011年4月~ 6月、TBS)の脚本を書かれたことでも有名で、ファンも多いことと思います。

ときに、今回森下佳子さんにフューチャーする個人的な理由は、某テレビ局のコンクールで大賞と佳作を取り、現在もキー局の連ドラを書きまくっている才能ある若手作家さんが、「森下佳子さんの脚本を書き写して勉強しています」と言っていたので、まあ下っ端ド底辺ライターのわたしも一応学んだ方がよいか、と思ったからでもあります。

昔は憧れの脚本家と言えば、故・向田邦子さんや、大家の倉本聰さんや山田太一さん、というシナリオライター御三家と言われた人たちが注目されがちでしたが、そこより少し最近は、宮藤官九郎さんや岡田惠和さん、中園ミホさん、尾崎将也さん、橋部敦子さんといったベテラン、さらに最近は、古沢良太さんや、野木亜希子さん…などの気鋭のテレビ脚本家が人気ですね。(…書ききれなかった人気脚本家多数)

森下佳子さんは、1971年生まれ、2000年デビューのベテランなので、宮藤官九郎さんとかのグループに入る感じでしょうか。

脚本家:森下佳子さんの代表作

森下佳子さんの代表作はいっぱいありますが、挙げていきますと下記のような感じです。

平成夫婦茶碗(2000年1~ 3月、日本テレビ)
続・平成夫婦茶碗(2002年1月~ 3月、日本テレビ)
お前の諭吉が泣いている(2001年1~ 3月、テレビ朝日)
世界の中心で、愛をさけぶ(2004年7月~9月、TBS)
白夜行(2006年1月~ 3月、TBS)
佐々木夫妻の仁義なき戦い(2008年1月~3月、TBS)
MR.BRAIN(2009年5月~7月、TBS)※第2話までの脚本協力。
JIN~仁~(2009年10月~12月、2011年4月~ 6月、TBS)
とんび(2013年1月 ~ 3月、TBS)
ごちそうさん(2013年9月~2014年3月、NHK)
天皇の料理番(2015年4月~6月、TBS)
経世済民の男 第二部『小林一三〜夢とそろばん〜』(2015年9月、NHK)
わたしを離さないで(2016年1月~3月、TBS)
おんな城主 直虎(2017年1月~12月、NHK)
義母と娘のブルース(2018年7月~9月、TBS)
2020年謹賀新年スペシャル(2020年1月2日)
だから私は推しました(2019年7月~9月 、NHK)
今だから、新作ドラマ作ってみました 第3夜「転・コウ・生」(2020年5月8日、NHK)
天国と地獄〜サイコな2人〜(2021年1月~、TBS)

「見てた!」「面白かった!」というドラマが結構あるのではないでしょうか。

森下佳子さんの作品のここがスゴイ

これまでのドラマを見れば一目瞭然ですが、キャラクターがまず、チャーミングです。犯罪者も、偉い人も、どんな人にも人間くささが見え隠れします。

森下佳子さんがあるフォーラムで下記のようなことをおっしゃっていたのですが、キャラクターづくりのこだわりが、その言葉にも表れているように思います。

人には、それぞれの理由と行動原理がある。すべての登場人物にそれがあるとする脚本を目指そうと思うようになって

引用: 東京大学 森下佳子さん講演(2014年嘲風会フォーラム[宗教学科同窓会])http://www.l.u-tokyo.ac.jp/religion/shoukai.html

悪役にも悪を犯す理由、美学があるわけで(それが社会的に正しいかどうかは別として)、まったく人として理解できない要素ばかりではないわけです。悪役はただシンプルに強欲で悪い奴、という勧善懲悪のドラマはわかりやすくて面白いですが、森下佳子さんのはもう一歩踏み込んでいて、複雑ながらもああ確かにそういうことはあるかもな、と感動できるドラマになっています。例えば「白夜行」などは原作で描かれていなかった犯罪者側の罪を犯すにいたったどうしようもない事情をドラマでは描かれていて、そこに思わず涙してしまうわけです。

先述の若手作家さんは、「森下佳子さんの作品を見ると、大きな事件を起こさなくても、人間ドラマは描けるのだということがよくわかる」とおっしゃっていました。確かに森下佳子さんのシナリオは、小さな事情の積み重ね(例えば親子で些細な言葉の行き違いがあったなどでも)で、その人の心情に共感させられ感動し、面白く見せられてしまいます。

また、一話一話の構成も、毎話ちゃんと主人公が追い込まれるカタルシスがあって、引き込まれるようになっています。

森下佳子先生のシナリオは下記月刊ドラマでも見れるのでぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

ドラマ 2009年 12月号 [雑誌] | |本 | 通販 | Amazon

月刊ドラマ7月号(2014) | 月刊ドラマ |映人社 (eijinsha.co.jp)

森下佳子さんは、どうやってデビュー?

森下佳子さんは、コンクール出身者でなく、プロットライターからデビューされたようです。

テレビ脚本家としてデビューするのは、テレビ局のコンクールに入賞して、そのテレビ局とのかかわりで仕事を広げていくのが最も王道のコースです。

一方、プロットライターというのは、テレビや映画の脚本を作成する前の、たたき台となる大まかなあらすじやキャラクターを作るライターのことです。主に脚本家デビューをしたいライターが請け負うことが多いです。発注するのはテレビ局や制作会社のドラマプロデューサーです。プロデューサーが次のドラマを考えるときに、「企画書を作るので一緒に考えて、プロット書いてくれない?」という風に声をかけてくることが多いです。そうしてプロットライターとして企画書に係るうちに、うまくその企画が通ってドラマ化することになれば、ごくたまに、脚本を書くチャンスをもらえることがあります。

プロットライターになるには、プロデューサーと何らかのご縁を作ることが大切で、先のコンクール受賞がきっかけになることもあれば、自ら気になる番組のプロデューサーに売り込むツワモノもまれにいれば、制作会社がプロットライターを募集している際に応募したりと、さまざまななり方があります。

で、このプロットライターをやっているときに、ある程度、頭角を現さないとなかなか脚本執筆まで任せてはもらえません。

昔、脚本家志望者向けの講座で、森下佳子さんを起用した某テレビ局のプロデューサーさんがお話されていたのですが、森下佳子さんは、劇団の先輩が日テレに勤められていてその伝手で下働きをしていたところ、ドラマ「平成夫婦茶碗」のプロットコンペに参加するチャンスを得たそうです。で、一人だけ風合いの異なったプロット(天から家へと視点が下りてくるようなインパクトある出だしだったとか?)を出すなど個性が光っていたとか。

そして、そのドラマのメインライターだった遊川和彦さんに選ばれ、指導を受けつつ、脚本家デビューされたそうです。そもそもそのプロットコンペは脚本家の遊川さんが「プロットコンペで優秀なプロットライターに書かせよう」と言い出したらしいのですが。

そんなチャンスがあるのかー。運も実力も兼ねそろえた人のようです。

でもそのチャンスに至るまで、大学時代(森下さんは東京大学文学部!)には、劇団をやっていたり、その後正社員として勤めていたリクルートでは「シナリオの勉強をしたいので」とアルバイト待遇にしてもらってシナリオを学び続けたりと、行動力もすごいですね。運をつかみに行くという感じでしょうか。

ともあれ、週末は「天国と地獄」の続きを見ます😊

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