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脚本雑記

【2023年版】ドラマ脚本家になるためのロードマップ

「ドラマの脚本家ってどうやってなるの?」

テレビやNetflixやAmazonPrimeなどのVODでドラマを見て「自分も書いてみたい!」と思う人もいるでしょう。

とはいえ、テレビドラマの脚本家になるにはどうしたらいいかについてはあまり知られていません。

そこで、この記事では脚本家になるまでの道のりを紹介します。

脚本家になるまでのロードマップ

脚本家デビューまでのロードマップを図にすると次の通りです。

脚本家ロードマップ

ドラマに脚本家になるための道筋としては、主に次の3つがあります。

コンクールに応募して、受賞し、脚本家デビューする
・コンクールの受賞歴なしに、テレビ局や映像制作会社の脚本開発に参加し、脚本家デビューする
・劇団・自主映画などで作品を発表し、プロデューサーの目に留まり、脚本家デビューする

どのコースについても最終的には、「テレビ局や映像制作会社から直接脚本執筆のオーダーを受けること」が必要です。といっても、テレビ局や制作会社に就職して、脚本の仕事をもらうわけではありません。脚本家が脚本家デビューする前の職業は一般企業の会社員だったり、フリーターだったり、学生だったりとさまざまです。そこからシナリオコンクールや劇団や自主映画などで頭角を現し、プロデューサーなどから声をかけられ、デビューに至るケースがほとんどです。

要は、上記ロードマップの⑥「実力が認められて脚本執筆依頼を受ける」にどうやっていたるかが脚本家デビューのカギとなります。

NetflixやAmazon Primeなどで脚本家デビューをしたいと思う人もいるかもしれませんが、現状、NetflixやAmazon Primeが日本の新人脚本家に直接脚本執筆を依頼することはまずありません。

NetflixやAmazon Primeの日本のドラマは、テレビ局のドラマ制作部門や映像制作会社がしのぎを削って企画を通し、作品を製作して納品します。そのためNetflixやAmazon Primeで作品を書きたい場合は、現状では、まずテレビ局や映像制作会社との接点を作り、それらの会社から脚本執筆の依頼を受けることが大切です。

以下では、脚本家デビューまでに至る3つのコースを詳しく解説します。

最も王道コースはコンクールのグランプリ受賞

脚本家になるための、最も王道コースといえるのは、テレビ局の主催するシナリオコンクールで受賞して、受賞作品を映像化してもらうことです。

このパターンでデビューした脚本家には次のような方々がいます。

第2回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞(『アシ!』):古沢良太さん
第1回フジテレビヤングシナリオ大賞(『GIRL-LONG-SKIRT〜嫌いになってもいいですか?』):坂元裕二さん
第2回フジテレビヤングシナリオ大賞(『時には母のない子のように』):野島伸司さん
第22回フジテレビヤングシナリオ大賞(『さよならロビンソンクルーソー』」:野木亜紀子さん

上記以外でも、コンクールの大賞受賞者で活躍している人は大勢います。しかし一方で、大賞を受賞し、一度映像化されたからといって、その受賞者たちがその後も脚本家の仕事を続けられるかというと、そうでもありません。

コンクール受賞は、脚本家として活動するうえでの大きなアピールポイントになりますが、その後の仕事につなげていけるかどうかは、その人次第です。

コンクール受賞後には、コンクールの最終選考に残った人たちと一緒にドラマの企画会議などの場に呼ばれることがありますが、そうした場でしっかり結果を残し、次の執筆機会につなげていくことが大切といえます。むしろ、この際に、受賞に至らず最終選考に残った人の方が奮起して、そのときにできたプロデューサーとの縁を存分に生かして、長く脚本家として生き残るケースも少なくありません。

コンクール受賞が脚本家になるための王道といわれる理由は、テレビ局の製作現場の人とダイレクトに知り合うことができるからです。脚本家として生き残るためにもこうした縁を生かさない手はありません。充分に活用するようにしましょう。

コンクールに受からない・コンクールを受けない場合でも望みはある

脚本家になるためには、ドラマを作るプロデューサーとの接点を持つことが必要なことはすでに説明した通りです。この接点を作る最もいい方法がコンクールですが、コンクールの場合、競争率が1000倍を上回るケースも少なくないため、なかなか受からない人もいるでしょう。

コンクールを突破できないからといって脚本家になれないかというとそうでもありません。要はドラマや映画の製作プロデューサーとの接点をいかに作り、そこで実力をアピールできるかどうかにかかっています。

コンクール以外でも、他には例えば下記のようなルートをたどってテレビ局や制作会社と接点を持ち、脚本家デビューに至る人も少なくありません。

・シナリオ学校のイベントなどに参加し、プロデューサーに企画を提出する
・シナリオ学校やシナリオ教師の紹介を通じてプロデューサーに企画を売り込む
・企画書コンペに参加する
・映像制作会社の企画書ライター・プロットライター募集に応募する

シナリオスクールでは、テレビ局や映像制作会社のプロデューサーを招いた講演会や企画コンペといったイベントを行うことがあります。そうしたイベントに積極的に参加することで、プロデューサーとの縁ができて、脚本家デビューにつなげる人もいます。

しかし、ここで脚本家デビューまで至るのはそう簡単ではありません。プロデューサーにドラマの企画アイデアなどを出す機会がもらえても、採用されないケースがほとんどです。それでもドラマの企画アイデアをだしたりドラマの企画書を書いたりする「プロットライター」といった仕事をもらえることがあります。そうしたプロットライターの仕事をしながら、脚本の仕事をもらえるチャンスを狙う人もいます。

コンクールの受賞なしにプロットライターから脚本家デビューを果たした脚本家は非常に多くいます。特にビッグネームの脚本家としては「JIN-仁-」や「義母と娘のブルース」の脚本で知られる森下佳子さんなどがいます。

ただし、プロットライターの場合、「タダでもチャンスを掴むためにやりたい」という人がいるためか、労働条件があまりよくありません。以前より原稿料は支払われるようになっていますが、未払い・不払いは割とよくあります。スケジュールについても、常に早急な対応が求められライターの都合に合わせてもらえるわけではありません。

ギャラのことを考えるとプロットライターだけでは生計は成り立たず、スケジュール的なことを考えると会社員など他の仕事をやりながらではなかなか続けにくいという厳しい仕事といえます。

劇団や自主映画などで活躍していて声がかかることも

ドラマの製作現場は、常にフレッシュな感性と才能をもった新人を求めています。プロデューサーは、常にドラマの書き手を探しており、評判となった劇団の芝居や自主映画なども積極的に見ています。そして、そこで活躍している劇作家や監督に脚本依頼をすることがあります。

劇団出身の脚本家は少なくありません。

大石静さん(劇団「二兎社」。作品に「ふたりっ子」、「功名が辻」、「四つの嘘」、「セカンドバージン」など)
前田司郎さん(五反田団。作品に「お買い物」「徒歩7分」など)
加藤拓也さん(劇団た組。作品に「俺のスカート、どこ行った?」、「きれいのくに」など)

劇団や映画に限らず、自分の作品を世に公表していれば、プロデューサーは新しい才能を常に探しているため、脚本家デビューにつながるケースが少なくありません。脚本家になるためにも、自分の作品を積極的に形にしていくことがおすすめです。

脚本家デビューを果たすまで最低でも3年くらいは必要

脚本家になるための道のりがイメージできるようになったのではないでしょうか。

実際のところ、脚本を学び始めてから、脚本家デビューまでは最低でも3年くらいはかかります。長い場合はデビューまで10年以上かかる場合も少なくありません。

経済的なことも考えると、脚本家になるためには、王道のシナリオコンクール受賞コースを選択し、シナリオコンクールで受賞して脚本家デビューを果たすまでは、別の仕事でしっかりと生計を立てながらシナリオの勉強をすることがおすすめです。

コンクール受賞後、脚本家デビューを果たした後も、脚本の仕事が続けられるかどうかは運や縁にも左右される厳しい道をたどることになります。脚本家になるまでに、経済的・精神的に破綻しないように気を付けつつ、チャレンジを続けることが大切です。

まずは1時間ドラマを書けるようになろう

脚本家になるためにも、まずは1時間ドラマを書く力をつけるようにしましょう。シナリオコンクールに応募するためにも1時間ドラマを書くことが大切です。

1時間ドラマを書けるようになるためには、次のような点に気を付けながら学習を進めるようにしましょう。

1時間ドラマで描ける話のボリュームを把握する

1時間ドラマを書く場合には、まず1時間で描ける話のボリュームを把握するようにしましょう。

1時間ドラマを書く場合、NHKの大河ドラマのような何十年にも渡り何十人もが登場する壮大な物語を描くことはできません。1時間ドラマには1時間の適正な話のボリュームというものがあります。1時間でどういうことがどの程度描けるかというボリュームを知ることが大切です。そうでないと人物描写やドラマが希薄になります。

テレビやVODで放送されるドラマは連続ドラマが大半で、1時間だけのドラマを放送することがないため、1時間ドラマのイメージがつきにくいかもしれません。そうした場合は、「月刊ドラマ」などで過去の受賞作品を見てみるか、1話完結型の連続ドラマなどを見てみることがおすすめです。それらの1時間のドラマの中で、描写されている内容が、1時間で描くのに適切なボリュームの素材といえます。

月刊ドラマには「フジテレビヤングシナリオ大賞」や「テレビ朝日新人シナリオ大賞」「創作テレビドラマ大賞」などの受賞作品が掲載されています。バックナンバーも販売されているため、気になるシナリオコンクールの受賞作品が掲載されている号を見てみるとよいでしょう。

1話完結型連続ドラマを参照する場合は

・テレビ朝日「相棒」シリーズ
・テレビ朝日「ドクターX」
・海外ドラマ「コールドケース」
・海外ドラマ「ゴースト 〜天国からのささやき」


など、1話のゲストエピソードが比較的しっかり描かれているものがよいでしょう。1話完結の連続ドラマを参考にする場合、主人公や主要な登場人物の成長に目をやるのでなく、その1話で出てくるゲストのエピソードの方を参考にしましょう。

ログラインやプロットにして考える

初心者にとって、いきなり1時間ドラマを描くことは、なかなか大変です。まずはアイデアを、1~3行のログラインにまとめたり、プロットにしてみたりしてみましょう。ログラインやプロットの書き方、シナリオの書き方、ドラマ企画書の書き方については次の記事も参考にしてみてください。

「3分で読破!「脚本・シナリオの書き方」(書式・ルール編」
「3分で読破!「脚本・シナリオの書き方」(内容・創作編)
「ログラインとは?書き方と名作映画のログライン一覧を紹介」
「三幕構成とは|おすすめ本とハリウッド式メソッドを紹介」
「ドラマ企画書の書き方とは?採用される企画書を書くには」

まとめ

ドラマの脚本家になるためのロードマップを紹介しました。脚本家になるためのイメージができたでしょうか?

脚本家になるには最低3年以上はかかるため、焦らず着実に脚本を学んで力をつけていきましょう。脚本家デビューをした後に、華々しく活躍を続けるためにも今の内にしっかりと学習し鍛錬をしておくことが大切です。

楽しく学び続けるためにも好きな作品をたくさん見たりして、モチベーション高く書き続けるようにしましょう。

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