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この脚本家がすごい

日本の有名脚本家|大ヒットした代表作品と特徴・作風などを紹介

有名脚本家TOP10

1位から10位までの有名脚本家について順に見ていきましょう。

1位:三谷幸喜

1位の三谷幸喜(1961年7月~)さんは、検索ボリュームが群を抜いて多い、注目度の高い有名脚本家です。

大ヒットドラマ「古畑任三郎」は、倒叙式コメディミステリーとして多くの人の記憶に残る人気作品といえるでしょう。NHK大河ドラマを3作品(「鎌倉殿の13人」「新選組!」「真田丸」)も担当したことでも知られます。

シチュエーションコメディなどの喜劇や、エスプリの効いたミステリー劇や群像劇を多く手がけています。三谷幸喜ならではのハートフルでウィットにとんだ独自の世界観が魅力といえるでしょう。

日本大学在学中に、劇団「東京サンシャインボーイズ」を立ち上げ、脚本・演出(当初は役者も)を担当。同時期に「欽ドン!」「お笑いマンガ道場」などの構成作家として活動するうち、「サザエさん」にライターとして起用されたのがテレビ脚本デビューのきっかけに。その後、「やっぱり猫が好き」の脚本で人気を集める。

代表作
<テレビドラマ>
「やっぱり猫が好き」(CX、1988年~)
「振り返れば奴がいる」(CX、1993年)
「古畑任三郎」(CX、1994年~)
「王様のレストラン」(CX、1995年)
「新選組!」(NHK、2004年)
「真田丸」(NHK、2016年)
「鎌倉殿の13人」(NHK、2022年、向田邦子賞受賞作品)

<映画>
「ラヂオの時間」(1997年、日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞、映画監督デビュー作品)
「THE 有頂天ホテル」(2006年)
「ザ・マジックアワー」(2008年)
「ステキな金縛り」(2011年)
「記憶にございません」(2019年)

<ラジオドラマ>
「笑いの大学」(NHK-FM、1994年)

<舞台>
「12人の優しい日本人」(1990年)
「オケピ!」(2000年、岸田國士戯曲賞受賞作品)

2位:坂元裕二

2位の坂元裕二(1967年5月~)さんは、2023年にNetflixと5年間の契約を交わしたことでも話題になりました。Netflixで新作シリーズ・映画が複数製作され、独占配信されることとなっています。

坂元さんは「第1回フジテレビヤングシナリオ大賞」を19歳で受賞し、受賞作品で脚本家デビュー。テレビ局のアシスタントとして働きながら23歳で書いた「東京ラブストーリー」が大ヒット。以降、ラブストーリー・トレンディドラマの名手として名をはせました。

1997年以降の5年間の休業を経て復活したのちは、「Mother」「それでも、生きてゆく」「わたしたちの教科書」などの社会派作品から「最高の離婚」「大豆田とわ子と三人の元夫」などの軽快なロマンスコメディなど多分野にわたってヒット作品を連発。「Mother」や「Woman」など世界各国でリメイクされるなど、世界的にも注目されている脚本家といえるでしょう。

代表作
<テレビドラマ>
「東京ラブストーリー」(CX、1991年)
「わたしたちの教科書」(CX、2007年、向田邦子賞受賞)
「Mother」(NTV、2010年、橋田賞受賞)
「それでも、生きてゆく」(CX、2011年、芸術選奨新人賞受賞)
「最高の離婚」(CX、2013年、日本民間放送連盟賞最優秀賞受賞)
「Woman」(NTV、2013年、日本民間放送連盟賞最優秀賞受賞)
「カルテット」(TBS、2017年、芸術選奨文部科学大臣賞放送部門受賞)
「anone」(NTV、2018年)
「大豆田とわ子と三人の元夫」(KTV、2021年)

<映画>
「花束みたいな恋をした」(2021年)
「怪物」(2023年、カンヌ国際映画祭脚本賞受賞)

3位:古沢良太

3位の古沢良太(1973年8月~)さんは、「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」などの痛快・コメディ要素の強いオリジナルドラマの大ヒットで知られる脚本家です。2023年はNHK大河ドラマ「どうする家康」の脚本を執筆しました。

古沢さんは、28歳の時に「第2回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞」を受賞し、受賞作品で脚本家デビュー。受賞後はテレビ朝日の「動物のお医者さん」「相棒」などの脚本家チームに参加する一方で、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)、「キサラギ」(2007年)などの単独執筆の脚本で高い評価を受け注目を集めました。その後「ゴンゾウ 伝説の刑事」など連続ドラマを手がけるたびに話題となり、高い人気を誇っています。

代表作
<テレビドラマ>
「ゴンゾウ 伝説の刑事」(EX、2008年、向田邦子賞受賞)
「外事警察」(NHK、2009年)
「相棒」(EX)
「鈴木先生」(TX、2011年)
「リーガル・ハイ」(CX、2012年)
「デート〜恋とはどんなものかしら〜」(CX、2015年)
「コンフィデンスマンJP」(CX、2018年)
「どうする家康」(NHK、2023年)

<映画>
「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)
「キサラギ」(2007年)
「探偵はBARにいる」(2011年)

<アニメ>
「GREAT PRETENDER」(Netflix、2020年~)

4位:宮藤官九郎

4位の宮藤官九郎(1970年7月~)さんは、「池袋ウエストゲートパーク」、「木更津キャッツアイ」など多くのヒット作で知られる脚本家です。脚本家のほか、俳優、映画監督、演出家、作詞家、作曲家、ミュージシャン、ラジオパーソナリティとしても活躍するなど多芸多才なことでも知られます。

日本大学在学中に、松尾スズキ主宰の劇団「大人計画」に所属し、大学を中退。バラエティ番組や深夜ドラマの構成作家などとしても活動するうちに、29歳で「池袋ウエストゲートパーク」(I.W.G.P.)の脚本家に抜擢され、連続ドラマの脚本家としてデビュー。これが高視聴率となり、その後も「木更津キャッツアイ」や「タイガー&ドラゴン」などのヒットが続き人気脚本家としての地位を確立しました。

代表作
<テレビドラマ>
「池袋ウエストゲートパーク」(TBS、2000年)
「木更津キャッツアイ」(TBS、2002年、芸術選奨文部科学大臣賞受賞)
「タイガー&ドラゴン」(TBS、2005年)
「うぬぼれ刑事」(TBS、2010年)
「あまちゃん」(NHK、2013年)
「ごめんね青春!」(TBS、2014年)
「ゆとりですがなにか」(NTV、2016年、芸術選奨文部科学大臣賞受賞)
「いだてん〜東京オリムピック噺〜」(NHK、2019年)
「俺の家の話」(TBS、2021年)

<映画>
「GO」(2001年、日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞)
「ピンポン」(2002年)
「舞妓Haaaan!!!」(2007年、日本アカデミー賞優秀脚本賞)

<舞台>
「鈍獣」(2005年、岸田國士戯曲賞受賞)
「メタルマクベス」(2006年)

4位:北川悦吏子

同位4位の北川悦吏子(1961年12月~)さんは、「ロングバケーション」や「ビューティフルライフ」などの高視聴率のラブストーリーを多く生みだし、恋愛ドラマの大家とされる脚本家です。

早稲田大学卒業後、広告代理店を経て、にっかつ撮影所に入社し、勤務のかたわら脚本を学び、28歳でテレビ東京系「月曜 女のサスペンス」シリーズの「赤い殺意の館」で脚本家デビュー。その後もフジテレビ系の「世にも奇妙な物語」などで活躍。特に同シリーズでは「ズンドコベロンチョ」「半分こ」など多くの注目作を執筆。

その後ラブストーリーの連続ドラマを多く手がけ、「ビューティフルライフ」は視聴率41.3%と2023年現在でも恋愛ドラマの中で最も視聴率の高いドラマとなっています。

代表作
<テレビドラマ>
「素顔のままで」(CX、1992年)
「あすなろ白書」(CX、1993年)
「愛していると言ってくれ」(TBS、1995年)
「ロングバケーション」(CX、1996年)
「ビューティフルライフ」(TBS、2000年、向田邦子賞受賞、橋田賞受賞)
「空から降る一億の星」(CX、2002年)
「オレンジデイズ」(TBS、2004年)
「たったひとつの恋」(NTV、2006年)
「半分、青い。」(NHK、2018年)

<映画>
「ハルフウェイ」(2009年)
「新しい靴を買わなくちゃ」(2012年)

6位:向田邦子

6位の向田邦子(1929年11月~1981年)さんは、没後40年を超えてもなお多くの人に愛される日本を代表する脚本家といえるでしょう。

ホームドラマの旗手として「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」などのヒット作品を生みだしたことで知られています。また、短編小説の連作「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」(「思い出トランプ」に所収)で直木賞を受賞するなど小説家としても高い評価を受けています。

実践女専国語科を卒業後、雄鶏社で「映画ストーリー」の雑誌記者をしているときに、放送作家・脚本家の市川三郎氏のもとで脚本を学び、ラジオ・テレビの放送作家・脚本家としてデビュー。「七人の孫」「寺内貫太郎一家」など庶民の生活における人間模様を温かくかつその陰影をも描いて人気を博しました。

代表作
<テレビドラマ>
「七人の孫(1)」(TBS、1964年)
「七人の孫(2)」(TBS、1965年)
「だいこんの花」(NET、1970年)
「時間ですよ(2)」(TBS、1971年)
「寺内貫太郎一家」(TBS、1974年)
「冬の運動会」(TBS、1977年)
「眠り人形」(TBS、1977年)
「阿修羅のごとく」(NHK、1979年)
「あ・うん」(NHK、1980年)
「幸福」(TBS、1980年)
「蛇蝎のごとく」(NHK、1981年)
「隣りの女 現代西鶴物語」(TBS、1981年)

<小説>
「父の詫び状」(文藝春秋、1978年)
「思い出トランプ」(新潮社、1980年、※連作「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で直木賞受賞)
「隣りの女」(文藝春秋、1981年)
「森繁の重役読本」(ネスコ、1991年)

7位:大石静

7位の大石静(1951年9月~)さんは、17歳差の不倫愛を描いたドラマ「セカンドバージン」(2010年)が大きな話題を呼んだことでも特に有名な脚本家です。

「セカンドバージン」のヒットでラブストーリーの名手としての印象が強いものの、ラブストーリーに限らず、ホームドラマから波乱万丈な人間ドラマ、ハードな社会派ドラマ、コミカルなお仕事ものなど多分野で活躍されています。NHKの朝の連続ドラマ小説を2度(「ふたりっ子」、「オードリー」)、NHK大河ドラマも2度(「功名が辻」、「光る君へ」)担当。

日本女子大学卒業後、青年座研究所への入所などを経て、1981年に永井愛(劇作家・演出家)と2人で劇団「二兎社」を設立、女優と脚本を担当。「水曜日の恋人たち 見合いの傾向と対策」(TBS、1986年)で脚本家デビュー。以降オリジナル作品を中心に活躍されています。

代表作
<テレビドラマ>
「ふたりっ子」(NHK、1996年、向田邦子賞・橋田賞受賞)
「オードリー」(NHK、2000年)
「功名が辻」(NHK大河、2006年)
「恋せども、愛せども」(WOWOW、2007年、文化庁芸術祭賞テレビ部門(ドラマの部)優秀賞受賞)
「四つの嘘」(EX、2008年)
「セカンドバージン」(NHK、2010年)
「家売るオンナ」シリーズ(NTV、2016年)
「和田家の男たち」(EX、2021年)
「光る君へ」(NHK大河、2024年)

<映画>
「セカンドバージン」(2021年)

7位:生方美久

同位7位の生方美久(1993年5月~)さんは、脚本家デビュー後、2022年に手がけた初のオリジナル連続ドラマ「silent」が大ヒットし名をはせた脚本家です。

同作品は、TVerの再生回数・番組登録者数で歴代最高を記録。当時のX(Twitter)のトレンドにおいても複数回第一位となりました。また、同作の脚本は書籍として発売され、発売後3カ月で15万部を突破するなどベストセラーとなっています。また、橋田賞新人賞の受賞作品となりました。

生方さんは、大卒後、助産師や看護師、アルバイトとして働きながら脚本を学び、2021年に「フジテレビヤングシナリオ大賞」の大賞を受賞。同作品で脚本家デビューとなりました。現在、最も注目されている若手脚本家といえるでしょう。

代表作
<テレビドラマ>
「silent」(CX、2022年)
「いちばんすきな花」(CX、2023年)

9位:野島伸司

9位の野島伸司(1963年3月~)さんは、「101回目のプロポーズ」や「ひとつ屋根の下」「高校教師」などの数々の話題作を手がけた脚本家です。

作品のセリフから数々の流行語が生れ「101回目のプロポーズ」では「僕は死にましぇん」、「ひとつ屋根の下」からは「そこに愛はあるのかい?」、企画・原案を担当した「家なき子」からは「同情するなら金をくれ」などのセリフが話題になりました。ラブコメ・ホームドラマのほか「高校教師」や「聖者の行進」など暴力、レイプ、いじめ、障害者、自殺など人間社会の暗部を描いた作品も少なくありません。

中央大学を中退後、渡米し、帰国後はアルバイトを転々とし、シナリオ作家協会の研修科を受講。脚本家・伴一彦に師事し、プロットライターとして活動。1988年にフジテレビヤングシナリオ大賞を受賞し、脚本家デビュー。デビュー後すぐに担当した連続ドラマ「君が嘘をついた』が高視聴率を記録し注目を集めました。

代表作
<テレビドラマ>
「君が嘘をついた」(CX、1988年)
「愛しあってるかい!」(CX、1989年)
「101回目のプロポーズ」(CX、1991年)
「愛という名のもとに」(CX、1992年)
「高校教師」(TBS、1993年)
「ひとつ屋根の下」(CX、1993年)
「人間・失格〜たとえばぼくが死んだら」(TBS、1994年)
「未成年」(TBS、1995年)
「聖者の行進」(TBS、1998年)
「薔薇のない花屋(CX、2008年)
「理想の息子」(NTV、2012年)

9位:渡辺千穂

同位9位の渡辺千穂(1972年10月~)さんは、女性のリアルな裏表を描いた「泣かないと決めた日」、「ファーストクラス」などのヒット作を手がけた脚本家です。

「泣かないと決めた日」では女性の職場いじめを、「ファーストクラス」では女性の格付け(マウンティング)を描いて話題となりました。女性の裏表をリアルに描く一方で、ラブコメディなどのコメディ作品も多く手がけています。

大学卒業後、会社員を経て、28歳で脚本家となることを志し、書いた脚本のプロットがテレビ局のプロデューサーの目に留まり、2002年の連続ドラマ「天体観測」(KTV)で脚本家デビューとなりました。

代表作
<テレビドラマ>
「泣かないと決めた日」(CX、2010年)
「名前をなくした女神」(CX、2011年)
「サキ」(KTV、2013年)
「ファーストクラス」(CX、2014年)
「べっぴんさん」(NHK、2016年)
「これは経費で落ちません!」(NHK、2019年)

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